回転ずし最大手あきんどスシロー（大阪府吹田市）は31日、マグロなど１皿税別100円のすしの価格を90円に値下げすると発表した。６月６～10日の期間限定だが、値下げは７年ぶり。

「スシロー」全店舗の３割強に当たる151店舗で実施する。手ごろ感を訴えてスシロー未利用客の来店を促す。９月には東京都心への出店も計画し、新規客の獲得を狙う。

2009年以来の値下げの狙いについて、水留浩一社長は「『100円回転ずしならどの店も同じ』と考えている消費者に挑戦したい」と強調した。90円という価格をきっかけに自宅近くの同業他店に通う客をスシローに引き込む考えだ。

15年10月～16年３月の同社の営業利益が好調だったため「還元セール」を実施するというのが建前。ただ、節約志向の強い消費者の獲得を狙って勝負に出た側面もある。値下げでまず来店を促し、食事してもらえばスシローの味と価格に満足し顧客になってもらえると判断したようだ。実際、５月に値下げを先行実施した北海道の８店舗では、販促期間終了後でも客離れは起きていないという。

客層拡大に向け、東京都心部への出店も強化する。９月に従来より小型の回転ずし店をＪＲ山手線内に出店する計画だ。サラリーマンらの短時間の昼食や学生のカフェとしての利用を想定し、顧客の回転率を高める。駅に近い立地でアルコール類の「ちょい飲み」需要を取り込み、客単価上昇も見込む。水留社長は「回転ずしに行きたいと思ったときに近くにスシローがある環境を作る」と積極的に出店する考えを強調した。

さらに、米国でも新業態の展開を始めた。15年11月にニューヨークで、人気の「カリフォルニアロール」と呼ばれる巻きずしをテークアウトできる店を開業。６月６日には２号店を開店予定で、同様の業態を欧州や日本でも展開できると考えている。米国では回転ずし店の出店も計画している。国内外で出店を拡大し、業容拡大を狙う。

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