寝具メーカー大手エアウィーヴ（東京）の高岡本州会長（５５）は９日までに、ニューヨークの直営店でインタビューに応じ、本格的な海外展開に必要な資金を確保するため、日本での株式上場の検討を始めたと明らかにした。

同社は２００７年、マットレスの上に敷く独自素材の高反発パッドを発売。体調管理に厳しいスポーツ選手の多くが愛用したことで人気を集め、１５年の年商は１２０億円と急成長を遂げた。一方、「世界ブランドへの足掛かり」として昨年進出した米国では、パッドの商品価値をマットレスよりも低く見なす市場環境に苦戦。このため、パッドと同じ素材を使ったマットレスを新たに開発し、「米国市場での再出発」と位置付けて今月発売する。

高岡会長は「日本でパッドを売っていただけの状況とはステージが変わった。自前の資金と銀行からの借り入れでここまでやってきたが、それだけでは足りない」と指摘。協賛する２０年の東京五輪までに海外展開を加速し、将来的に年商１０００億円規模を達成するための資金が必要だとして、日本での株式上場のほか、「他社との提携なども選択肢に入れている」と述べた。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016061000594&g=eco