多くのトレーダーは最近の市場には不安感はほとんどないと言う。彼らは、経済あるいは市場の落ち込みのリスクをほとんど示していない金融情勢見通しが多いと指摘する。過去最高近辺の株価、低金利、ぱっとしないが着実な経済成長、後退しているとはいえ依然緩和的な米連邦準備制度理事会(FRB)による景気と金融市場への支援などだ。
TDアメリトレードのチーフストラテジスト、J.J.キナハン氏は「市場は眠っている」とし、「結局のところ（株価は）今年に入ってからほとんど大きく動いていない」と話した。

同指数は株価が急激に動く時には上昇する。これは投資家が、同指数が基礎としているS＆P500オプションの相場を押し上げるためだ。
オプションは多くの投資家が突然の下落に対してポートフォリオを守るために買う。
今年は落ち着いた動きが続いている。S＆P500は3月4日以来、4.5％のレンジで推移している。同指数は22日、前日比4.46ポイント高の1892.49で引け、年初来では2.4％高となった。

低いVIX指数は投資家が市場のリスクを考慮していないことを示唆している可能性がある、と一部で警告されている。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は20日、VIXが「異常に低い」とし、サプライズの可能性があるため、「私は少しばかり神経質になっている」と語った。

他の人たちは、市場が下がるたびに着実な需要がみられると指摘する。証券会社ジョーンズ・トレーディング・インスティチューショナル・サービシズのストラテジスト、ユセフ・アバシ氏は「（株価が）下落すれば、直ちに買いが入っている」とし、「VIXに見られるのは、この市場へのいくらかの満足感だが、市場は落ち着いており、当面大きな変動はないだろうという見方が多い」と話した。

多くの投資家にとってS＆P500に大きな動きが見られないのはサプライズだ。
（中略）株式は待機状態にあるとの見方は投資家全般に広まっている。米国個人投資家協会（AAII）の最近のセンチメント調査では、個人投資家の株式市場の先行きへのニュートラルな姿勢はこの15年間で最長となっている。

↑資料、株式市場参加者の恐怖心を示すVIX指数
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303295604579579051406107062