年金の50%を株式で運用するのはさすがに無理があるんじゃないか?
GPIFは約130兆円を運用する世界最大級の機関投資家だ。そして、彼らが運用しているのは、日本の厚生年金、国民年金の積立金だ。彼らの運用方針が、それ自体として十分なものなのかどうかは、国民としては知っておきたい問題ではないか。
結論からいうなら、新しい運用計画は、厳密には「素人レベルの運用でもダメ」と評価するべき、残念な代物だ。10月31日(金)にリリースされている説明資料「年金積立金管理運用独立行政法人 中期計画の変更について」を見てみよう。この運用計画が根本的にダメな点は、厚生労働大臣の運用目標の与え方にある。「財政現況及び見通し(いわゆる「財政検証」)を踏まえ、保険金給付に必要な流動性を確保しつつ、必要となる実質的な運用利回り(運用利回りから名目賃金上昇率を引いたもの。以下「実質的な運用リターン」といいます。)1.7%を最低限のリスクで確保すること」と資料にはある。
名目賃金上昇率を比較対象にしている点で少し複雑だが、要は「リターン○・○%を確保する、最小のリスクのポートフォリオを作れ」ということだ。リスクについては、後づけで辻褄を合わせたと推測される、「名目賃金上昇率からの下振れリスクが全額国内債券運用の場合を超えないこと。」から始まる、分かりにくい文章がある。全額債券並みのリスクで、「名目賃金上昇率+1.7%」などという好都合で高い利回りが可能なのかと驚かれる読者がおられよう(それが可能なら、筆者も驚く)。案の定、GPIFのリスク推計値を使うとして、全額国内債券のポートフォリオのリスクは4.7%(年率リターンの標準偏差)だが、出来上がった基本ポートフォリオのリスクは12.8%もある。株式が内外合わせて50%、加えて外債が15%もあるので、このくらいの数字になって不思議ではない。
しかし、基本ポートフォリオの検討では、全額国内債券で運用して賃金上昇率を下回る確率よりも、新しい基本ポーフォリオで運用して賃金上昇率を下回る確率が小さいとして、新しい運用計画を正当化している。株式に高いリターンを設定し、長期間の運用を想定して、コンピューターを回すと、このような結果が出ることは想像に難くないが、これをもって「全額国内債券並み(以下)のリスク」と称することには強い違和感を覚える。
こうなってしまったからくりは、目標リターンが財政検証で想定した長期金利をもとにしたもので、「単なる予想金利の一つ」に過ぎないものが元になっていて、厚労大臣が、これを与えたという杜撰な過程によるものだ。GPIFの今回の基本ポートフォリオは、経済の順調な推移を想定した「経済中位ケース」を前提としても、名目の期待リターンが4.57%、リスク(リターンの標準偏差)が12.8%ある。金融の世界で良く考えるマイナス2標準偏差のイベントが起こった場合(正規分布を仮定して起こりうる事象の悪い方から2.3%位の位置にある事態)の損失は、マイナス17.37%だ。運用資産を130兆円として、1年間にざっと22兆5千億円の損失が出る場合があり得るということだ。
下げ相場で「こんなはずではなかった」
この規模の損の可能性があることを許容出来るか否かという点が、検討の出発点で考えられるべきだし、年金財政の側にもフィードバックされる必要がある。本来、「有識者」は、こういった重要な事を指摘するために雇われるはずなのだが、国内株式25%、外国株式25%、外国債券15%、といった、「公的相場操縦」を可能にし、政府を満足させる数字を作る手先として使われてしまったのが現実である。
来年か、再来年か、あるいはその先か分からないが、米国が金融引き締めに転じ、我が国も超金融緩和が終わる時が来ることが予想出来るが、この場合に、単年度で10兆円、あるいは20兆円を超える損失が出ても全くおかしくないのだが、この点を公的年金の加入者が十分に納得しているようには思えない。相場的には、当面の上昇が楽しみだし、これが年金財政を助ける側面もあるのだが、2,3年以内に来てもおかしくない下げ相場にあって、「こんなはずではなかった」という声が出るのではないかと心配だ。
また、この基本ポートフォリオの「想定運用期間」を25年としていることにも驚きを通り越して呆れる。想定運用期間は、与件の変化のスピードと、主に調整コストから決まるポートフォリオの調整スピードが影響するが、いかにGPIFが巨大でも、25年は長すぎよう。せいぜい5年ではないか。想定期間を長くしたこの影響もあって、基本ポートフォリオからの許容乖離幅がひどく大きく設定されている。国内債券は±10%、国内株式は±9%、外国株式は±8%、外国債券は±4%だ。内外の株式は標準の50%を中心に加減が36%、上限が64%が可能となるが、裁量の余地が大きすぎて、基本ポートフォリオが運用の基準として機能しないレベルだ。これも、他の年金基金や個人投資家は真似しない方がいい。
日銀が大量に国債を買い入れてくれるので、ポートフォリオを短期間で動かすことが出来、日銀に変わってGPIFが株式や外貨建て資産を買うことで、金融緩和効果も得られる、ということで、当面、国策に沿っている面はある。しかし、国民の年金積立金が過大かもしれない(少なくとも正面から議論されていない大きさの)リスクを抱えて、加えておそらくは高値の株式を抱え込むのはいかがなものか。加えて、GPIFが日本の民間企業の大株主になることの弊害は大きい。
今回のGPIFの運用計画見直しは、運用計画の作り方の点で見ても、経済政策の手段として見ても、適切であるように思えない。では、どうしたらいいかを一言でいうのは難しいが、そもそも日本の公的年金の積立金は過大であり、公的機関がこのように巨額の資金を運用する必要はない。年金積立金を国民に返すような方向で経済政策の原資として利用しつつ、その規模の縮小を図るのが「まとも」であると筆者は考えている。
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その後は、暴落するかもしれないが、
株にとって暴落は宿命だ。個人としては
下げ局面には信用取引か危険だから完全撤退かで対応するしかない。
底値で買えよ馬鹿が
本当にそれがわかってるんだったら(てか、わかると思うが)、
先物の空売りから始めたらいいんじゃね。
90兆円くらい。
以前は50パーセント以下だったが、株が上がるとそうなった。
生命保険で損失分埋まるようにうまくやれよ
多くて30パーセントくらいにまでだ。
株はもちろんハイリスクに分類されますよ。
安定株を含めたって2~3割に収めておくべきなのが定石ではないかと。
今までは安全資産の国債比率を高めで運用してたが
その利回りでは、将来的に年金財源が足りずに破綻見込まれるぐらいまで
追い詰められたってことだよ
運用成功すれば満額支給、
失敗すれば増税強行で
おまえらにツケが回ってくる
全銘柄が暴落する恐慌状態になったらピンチだけど、それを恐れていたら株式運用なんてできないしね
債券運用だけじゃとても年金財政が持たないから、ちょっと危ないけれどやるしかないのか…
「その時に当時のグリーンスパンFRB議長は『積立金の一部を株式に投資することは間違いなく資本市場と経済の効率性をリスクにさらすことになる。どんなに手を尽くしたとしても、積立金を政治的圧力から遮断できるかは疑問である。陰に陽に圧力がかかり、積立金の生産的な利用とは異なる資産構成になってしまう』と批判している。有識者会議はなぜアメリカが国債でやっているかを何も学んでいない」
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LF96200D9L3501.html
1月19日(ブルームバーグ):米最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)の保有資産は、リーマン・ブラザーズ・ホールディングス が連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請した2008年9月15日とほぼ同水準まで回復した。米株式市場の時価総額は適用申請から6カ月で6兆8000億ドル(約560兆円)吹き飛んだ。
年間の減少率としては過去最大だった。10年6月期は13.3%増だった。
リーマンが破綻した08年9月15日時点のカルパースの資産額は約2250億ドル。
09年1月31日には1647億ドルまで減少したが、今年1月13日時点で2270億ドルまで回復した。
過去最高だったのは、世界的なリセッションが始まった07年10月の約2600億ドル。
これが年金の積立金だということ
もう、そうなってるかもしれないけど・・・
そうすると、国債だとか株式を売却していかないといけない。酷いことになるぜ。
どう運用しようと、結果的にはインデクス運用と同じになる。
そして長い目で見れば相場の利益は経済成長に比例する。
GPIFは浮動株を減らして株価を吊り上げる相場操縦をするに過ぎない。
いずれ割高な株価は是正される。日本株人気自体が離散するかもな。
俺は金融資産の8割が外債だが、今後の収入は少しずつ海外株に投資しようと思っている。
対象は米国市場のドル建てETFだ。ドル建てで新興国も先進国も行ける。
日本はインフレが正常に働いていないので、20年前と同じ株価
それを行ったり来たりしているだけ
よほどうまいタイミングで売り抜けない限り、利益はでない
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/154860/2
一方で、チャッカリしているのが、約7・3兆円の資産を運用する「国家公務員共済年金」だ。国内株式の比率は昨年12月に5%から8%へ引き上げただけ。今も資産の74%を安心安全な国内債券で運用している。運用方針はGPIFと正反対だ。庶民の年金は“ギャンブル”で運用しながら、国家公務員は「堅実運用」なんて、どう考えてもおかしい。
とっとと廃止しろ自分で貯めこむから
株なんて国策ひとつで上げ下げしてるほうが多いじゃん
予算案決める前に建設しこむとか
地中化法案の前に電線仕込むとか
やりたい放題だろ
選挙の前にはムサシの株に動きが出るよな。
あと、自民党と統一協会と関わりの深い銘柄も。
グリーンピアで散財しても誰も責任取らず
国に年金運用は無理
今まで支払った金返せ!
現金は持っているだけで価値が目減りするし
しかも今年は爆益確定してるしねー。
13年間運用して、累計の利益が35兆円って
ショボイだろ
20億円の赤字を2年続けたら
今までの黒字が全部吹っ飛んでしまう
リーマンショックがあったにも関わらず35兆の利益だよ?
これは、負けようがないということなんだよ。
株は下げたら必ず上げるからね、資金があれば失敗しようがないのだよ。
しかも委託先はゴールドマンとか野村系だろ?
骨までしゃぶられなければいいですがね・・・
つか年金解約するから今までのカネ全額返せwww
単年度で数兆円以上の損益が出るのは想定内。
問題は国民が単年度で数兆円以上の損益が出たときに
理解し容認するかどうか。
国民は結構アホだしヒステリックに反応するもんだよ。
きちんと説明して理解させる自信があるのか?
コクミンは、というよりマスコミは、でしょうね。
特に損失を出したら(出したときだけ)針小棒大に報道して
野党が政府追及の道具に・・・・ってなりそう。
ギャンブルもありか、と、わりと投げやりな気持ち。
引用元:http://daily.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1415861522/
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コメント
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コメント (23)
お前らみたいなハイリスクハイリターンの運用するわけねぇだろwなに自分基準で考えてんだよ
超長期で可能な限りローリスク運用するに決まってるだろ。これまでもこういう運用してんだからな
これ見て、もう一度勉強しなされ。
マスゴミと日教組の洗脳教育に侵された方は、もっと疑わないと貧乏になるばかりですよ。
格差社会じゃなくて何もしなかった人が貧乏になっているだけの現実を見ましょう。
http://minkabu.jp/news/782413
確かにローリスク銘柄になるだろうけど、それでも正しくリスクを見積もれて、状況の変化を適切に監視できる人材が必要。
「自分の利益」を度外視した努力を行える人材を見極め、配置しないといけない。
単にファンドのマネをするだけならやらないほうがいい。そいつらのリスクだけ被るはめになるから
GPIFの運用金って昔積み立て方式だった頃の名残で本来無いものなんだからあるだけましと思えよ。
納めた分返せって言ってもお年寄りに配っちゃってもう無いからw
外圧に弱くなるのではないかと思ってしまう
同時に政治家や公務員の給与に使われる金を株で運用すればいいのに。
結果が出なければ減るから、必死に増やそうとするだろうし、景気が悪い状況を放置するなんて
絶対しなくなるだろうし、アホみたいに増税しろなんて言わないだろwww
奴らの『運用してアガリで回す』ってのゎ王水みたいなモンで“固い”って話を高確率で溶かすんだよな。なにしろ立案するのは80年代の不動産バブルで踊りまくってコケた連中だ(笑)
公務員の年金は守られたままで、サラリーマンのだけ犠牲にすんのね
今時何で運用しても大して変わらん。運用益を無駄な設備とかに溶かしてた時代に比べれば運用してるだけマシ。
*1
これまでとは違うの。
今年、規制緩和とかで株式投資枠が広げられるんだよ。
危険だから、資金運用での株式投資枠が制限されてたけど、それを増やす。
増やせば危険なんだけどね。
なんでそんなことするかって言えば、そうすれば資金が流れ込んで一時的にでも株価維持できるから。人工的に株価バブルを作るの。下げた時は悲惨どころじゃなく年金崩壊するだろうね。
全然危険じゃないよ。許容されてる範囲でリスクをとるからな。
危険なのはソコじゃなくて、運用組織の独立性の部分だろう。
日経平均維持するための材料として政治家かGPIFの存在をチラつかせてるとか、
年金ふやす目的だけ純粋に考えたらありえんだろう。 どーなることやら・・・
年金運用を取り巻く環境が”マトモ”か”マトモじゃない”かが
今後の株価に影響しそうね(´・ω・`)
そもそも日経が2年で倍になってるんですけど。保有資産価値が増えると売らないといけないのわかってないやつ多過ぎ。国債も日銀と年金のとを入れ替えるだけ。暴落する前に売ってます。メカニズム理解できない奴は一生勝てない。
株式比率上げるよりも相関性の低い国内外リート、ローンの買い入れ実施して欲しかった
国内のローンは自動車住宅ともに焦げ付き少ない
流動性と価格の透明性が担保されないのがネックだが
だいたい同じ指向の内容の株国・債半々、国内・国外半々の投資信託は、
十年でならすと、だいたい3%だったかな
国債比率を上げたやつは1%に落ちる
海外の年金運用機関の資産構成は、平均35%ぐらいか。高いところだと60%ぐらい
http://www.world401.com/401k/world_401k.html
20%の”超保守的”から”結構積極的に”に変わった、というところか
とりあえず、年金運用法人改革・資産構成比の変更を理解するためには、
「ウォール街のランダムウォーカー」の最終章あたりを読んどけ
現金や債券は株より危険かもしれない
http://www.tsurao.com/archives/2014-11-05-1821109
年金なんて、なくなったて安部 黒田 財務省には、痛くも痒くもない。
年金は、崩壊してるんだから、株式に投入してハイパーインフレをこし、うやむやにした方が特。
年金が破産すると、安部は真っ先に逃げそうだな。
ゲリゾウ「消えた年金をトリモロス!」
↓
ゲリゾウ「やっぱ無理www腹痛いからそーりだいじん辞めるwww」
ゲリゾウ「ゲリノミクスで年金増やしてトリモロス!」
↓
ゲリゾウ「溶けて消えたwww腹痛いからそーりだいじん辞めるwww」
債権比率高い方がインフレに負けるリスクが高くなるよ
むしろ株式無しでインフレに勝てる投資は無いんじゃないかな
現在、年金を国債で運用すると、将来の破綻が確実である。
現在年金を株式で運用すると、将来の破綻が不確実になる。
株式の運用比率を高める方が理論的。運用を何パーセントにするかは議論が分かれるだろう。
ゲリゲリいってる人ってどこの国の人なんだろうか
日本人ならみっともないが三国人ならまぁ理解
お里が知れます
生活保護があるんだから年金いらないだろ
少子高齢化なんだから年金を増やすのはギャンブルしかないわな。
まぁ、100%凄まじい減少をするけどね。
で、責任者がテレビの前で頭下げて、数千万の退職金もらって天下りと。
お前らは、何故か「年寄りが悪い!社会保障が全ての悪!」と喚く と