大塚家具一族の親子喧嘩が決着。娘の久美子さんが社長に戻る。
(写真は有明本社、撮影:今井康一)
実の父と娘によって、経営体制をめぐり揺れていた、大塚家具の内紛問題。2014年7月の解任後、わずか半年で2015年1月に社長に「復帰」した大塚久美子社長(46)が2月11日、都内で東洋経済の取材に応じた。結論として、3月下旬の株主総会後、大塚勝久会長(71)は退任する予定だ。名実ともに新たな経営体制で臨み、脱・勝久路線に舵を切ることを明言したのである。
同社は1月28日、大塚久美子取締役が社長に、大塚勝久会長兼社長が会長に就任する、異例の“元サヤ人事”を発表。父・娘がともに代表取締役として、会長・社長を分け合い、当面は二頭体制が続くとの見方もあった。だがその可能性は低そうだ。
『週刊東洋経済』2015年1月24日号でも報じた通り、取締役時代の久美子氏は解任後メディアで初めて受けた取材で、父を含む経営陣の交代を迫る「株主提案」もありえる、との強硬路線を示していた。今回の社長復帰で、改めて何を決意したのか。
■勝久体制では赤字。結果が出た
――社長復帰が決まった1月28日の取締役会では、いったい何が議論されたのか?
具体的な議論の中身は言えない。大枠で言うと、この会社を生かしていくために、どういうやり方がいいかということだ。考え方の違いは一人一人にある。やってみなければわからないこともある。
今回の場合、(久美子氏が解任され、勝久氏が社長に就任した)2014年7月以降に打ち出した方針の、「結果」が出るのが早かった。業績面の数字で見ると、はっきりしており、目をつぶることはできない水準だ。
期中での社長交代は、それなりに強い理由がないとできない。結果がいい方向に出ないだけなら待つが、(2014年12月期決算が)4年ぶりの営業赤字に転落しており、これだけ急速に悪化するのは問題。よっぽど戦略的なことがあって、赤字にするということであれば別だが、上場会社として赤字を出すのは、通常はあってはならないし、あり得ない。それを深刻に受け止めたという意見が取締役会で大勢を占めたということだ。
写真=3月の総会後、会長からも退き、名実ともに勇退する父・勝久氏
――3月下旬の株主総会で勝久会長が退任するということか?
現段階でははっきりと申し上げられない。常識的に考えると、年齢を見ても、会長を続けることはありえない。タイミングの問題だが、早晩そうなるだろう。経営を直接リードする場合には、私のような考え方とは相容れない。(勝久氏は)勇退していくということだ。
この40数年は、創業者(勝久氏)が経営をやってきた。一方で過去5年は私がやってきた。この半年でおかしくなったが、ロングタームでみると、40年と5年、この先10年をみても、わき道に逸れる時間がこの半年だけで短くて良かった。これで正常化したことになる。ある意味で、この半年はケガの功名となった。半年ではっきりしたのは、過去(の成功体験)に適応したものをやっても、結果はついてこないということだ。
ソース(東洋経済オンライン) http://toyokeizai.net/articles/-/60462
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――何が経営の失敗だったのか?
過去の成功の方程式は、新しい場所に店舗を出して、売上高を伸ばしていくということだ。広告宣伝費を先行してかけても、必ず回収できるという前提。だが、それは人口が増えて売上高が上がり続ける、一定の条件の下での成功パターンに過ぎない。
当社はすでに、全国展開が終わり、知名度も上がった。それでも広告宣伝をかければいいというのが、普遍的な心理として染みついていることが問題だ。成熟を迎えつつある会社が、成長期にあるような売上高で回収することは、難しい。コストだけ出ていくことになる。近く出る決算発表を見れば、追加的に折り込みチラシや新聞広告など広告宣伝費をかけている一方、それが回収されていないことがわかると思う。
今は新しいマーケットを作れるかどうかだ。そうなると、自然とアプローチの仕方が変わるはず。それができないなら、保守的にコストを抑えていかなければならない。
写真=解任された自分の後を継いだ勝久氏の半年間を、「結果が出た」と断定した娘・久美子氏
――店舗オペレーションもこの半年間で、従来型の会員制によって敷居の高い店に戻ってしまった。
私は5年かけて、店舗受付のオープン化など、間口を広げる努力をしてきた。むろん高付加価値商品が多いため、商品を説明できる人員体制を整えると同時に、誰でも見たい人が入りやすくという両面で見直してきた。
だが、(勝久氏が会長兼社長になってからは)複数店舗で工事して、また受付をしないと入れないお店に戻してしまった。有明本社ショールームなど郊外立地で目的買いの人が多い店舗は、それでもいいかもしれないが、新宿ショールームなど繁華街でそれをやると、弊害は大きい。
2014年10月に従来型店舗に変えた新宿ショールームでは、11月にサーモセンサーで人数カウントした結果、2013年に月間3万8000人だった来店客数が、14年には3万人へと2割以上も減った。売上高もその分減った、ということではないが、見に来る人が減ると、悪循環になる。何回か見るという購買ステップを踏まなくなり、結局は入りやすい競合他社に行ってしまう。
家具も今は、昔のような目的買いではなく、洋服と同じように、ふらっと来ていいものがあれば買う、という買い方が増えている。気軽に見ることのできる店舗づくりが重要だ。新宿ショールームでは、1階の売り場を小さくしてまで、受付事務所を戻した。まさに旧来型の会員制への回帰そのもの。だが、それは大前提として、家具を買いたい目的の人のみが来ると思っているためであり、前提をどう考えるかで、アプローチの仕方は違ってくる。
――ニトリや北欧のIKEAは低価格の家具で人気になっているが。
当社の扱っている家具は付加価値の高いモノであり、購買へのハードルがある程度高いことは確かだ。だがアピールの仕方が足りなかったのもある。当社はいいのものを安く販売しており、コストパフォーマンスで右に出るものはいない。
実は衣食住をみると、住エリアだけは、質的な満足度が日本ではものすごく低い。衣と食は成熟化しており、誰しも経験を積んで、自分が何を好きかもよくわかっている。だが、住エリアはそこまで達しておらず、「ファストファニチャー」が席巻している。本当はみんなちょっといいものを提供してくれるお店を求めているはずだ。特に家具は一回買うと、何回も買わない。仮にニトリやIKEAが日本のスタンダードになると、衣や食のレベルとの差が大きくなってしまう。それは誰も望んでいない。
大塚家具は高級家具だけ、と思われがちだが、本当は幅広く扱っている。衣、食と同じレベルを求めたとき、それを提供できる唯一の会社だ。今まで知られていないのは、気軽に入れないお店だから。広告だけしか接していない人は勘違いしてしまう。そのため、目黒通りにカジュアルな家具の店を出し、青山ではモダンな小型店を開いて、実は大塚家具はこんなものを扱っている、と認知度を上げてきた(注:これらの店舗は解任以降に閉鎖された)。
写真=従来の会員制から、誰でも入りやすいオープン型へと、店舗を改革する(撮影:今井康一)
――再び社長に就任し、どういった改革を進めるのか?
店舗オペレーションは4月以降、オープン型に戻していきたい。3月までは繁忙期で間に合わない。マス広告については、これまでが
ミスマッチだった。富裕層にはいい広告でも、マスには効かないものもある。セグメントごとにどうアプローチしていくか検討している。
今後はサービスそのものをビジネスにしていきたい。インテリアコーディネーターなど、当社は優秀な有資格者を多く抱えている。購入後の家具のコーディネートや配置換え、また廃棄する場合に家具を引き取るリユース販売なども、広げていきたい。リユース販売
では予算の制約のある人でも、ニトリやIKEAと比べ、品質と価格面で、かなりお得なものになるだろう。さらに法人向け需要も力を入れていく。中小企業など開拓余地は大きい。御用聞きなどをすることで、平日営業を増やせば、週末に偏っていた売上高を平準化することにもつながる。
――勝久氏の「ワンマン体制」とされた、コーポレートガバナンスも改善していくのか?
カルチャー、企業風土を変えたい。今まではトップダウンで、指示された通りに動くのが基本だった。右肩上がりの時代にはそれが早く動けるし、効率がよかったかもしれないが、これからは違う。社員のマインドを少しずつでも変えていく。
取締役会では多様な意見を取り入れることも重要だ。それには現状、社内だけでは難しく、社外を生かしていきたい。私の(最初の)社長時代、社外取締役を1人から3人に増やした経緯もある。今月には発表したい。
■このまま去るのはもったいない
――大株主とはどう接していくのか。
勝久氏が2割株式を保有する大株主である事実は変えられない。(株式を10%超まで買い増している)米ブランデス・インベストメント・パートナーズは、当社のIRでこれまでもずっとコンタクトしている。現在の問題がコーポレートガバナンスであることは確かだ。
――他の選択肢もあったと思うが、なぜまた戻ることにしたのか?
やっぱりこのまま去るのはもったいないと思った。家具の魅力や可能性はまだ大きい。このまま放置してしまうと、日本のスタンダードがニトリやIKEAになってしまい、すごく後悔する。やってまだ可能性があるなら、それをやれる立場の人が動くことが重要、と考えた。
一回戻すことができれば、後に成長させられる人は、私以外にもたくさんいる。今は3~5年の中期経営計画を考えており、その中で今後の方針を発表したい。(終わり)
銀行もふりまわされてんじゃね?
東洋経済って、自分の願望と憶測で「争い」を作り上げて、「解決」させちゃうところあるからさ。
賑わっているのを見ると無残だね
プランタンも西武も花王も、女性社長がやめてから↓。
売上減る事はあっても増える事は、もうないんじゃないの。
まとめてリース、いかがですか…家具つき賃貸が一般的ではありませんけど。
欲しかったけど買ってから自分の暮らしに合わなかったら交換→返品データから売れるもんに寄っていかれたらどうかな。
ニトリ:お値段以下
IKEA:そもそも近くにない
地場の家具屋で庶民向けを買ったよ
お値段なり
安価な家具も「同じように」販売するようになってしまった
また、貧富の差が大きくなって、高級家具の需要が減っている上に、
どの販売店でもそうだが、増税後の反動で極端に売り上げが減った
あと、都会なだけあって「本当に購入したい」商品がもう売り切れかつ昨今の為替変動によって入手困難になったのもある
入りにくいのは解消してもらいたいが、高級客専用の曜日を設けたほうがよいのも確か
中流階級が減って厳しいんだろうね
おまけに店員が必ずついて来るからゆっくり買い物も出来ん
テーブルと椅子とベッドくらいかな
核家族で一世代限りの消耗品だし戸建からマンションに住み替えの
シニアももう死ぬから高級家具はいらないっていう
次は大塚(北欧専門じゃないが)。最近はIKEAで十分かなと思う。
引用元:http://anago.2ch.sc/test/read.cgi/bizplus/1423751081/
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コメント
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コメント (7)
高級感を売りにするには中途半端か。
しかし親娘で年始に集まったりしないのかな。
他人事ながら心配になってしまう
IKEAの家具使っててさ、4年後引っ越ししたんだが
引っ越し業者にIKEAの家具搬送は故障の保険が適用出来ないって言われたよ
建て付けガタガタで絶対歪むからだって。
それほどにIKEAの家具は耐久性無い。
もう一生引っ越さないならまぁ良いけど、ファストファニチャー買うようならそうそういい家住んでないわけで引っ越しの可能性もあるだろうし
確かに、安物買いの銭失いとはまさにこのことだなと思ったよ
IKEAはサービスが悪いから二度と行かない。
若い頃に店へ行ったことがあるけど店員の態度が胸糞悪かったわ
「お前みたいな若造はお呼びじゃない」みたいな雰囲気があからさまだった
もう結構な年になったけどここで買い物したいとは思わんわ
※2
それは組み立てたお前の腕が悪かったんじゃ・・・
IKEAの木工家具はむしろ無駄に頑丈だと思うわ。
ニトリやIKEAにやられる運命
田舎だがナフコで買うわニトリは信用ならんし